タトゥーや刺青を消したいと考える際に『自力での除去』できないかと考える人もいると思います。
実際に自力での除去をする場合はどのような方法があるのでしょうか?
タトゥー除去の相談を受けていると時々自分で色々試したけど断念してクリニックに来た…という方にお会いします。方法は様々ですが、タトゥーはアートメイクと違い色素がかなり深い場合が多いため、自力で除去するには危険性を伴うものが多いようです。どんな方法があって、どんなリスクがあるのかを簡単にまとめていきます。

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絶対NG!危険な自力除去まとめ

タトゥーは皮膚の深い層まで色素が入っているため、除去をする際にもその深さまで到達する方法が必要になってきます。方法としては主にタバコや薬品を使用して熱傷状態をつくるもの、自分で皮膚を削るものなどがあります。
どの方法も皮膚の真皮に達する深い層まで達しないと色が消えないため、かなり強い炎症を伴います。
また自分では深さの調整が難しいため、場合によっては炎症が脂肪層に達してしまったりタトゥーの部位よりも広範囲に及んでしまう可能性も…
清潔操作ではないため感染するリスクも高く、炎症が波及すると後遺症が残る可能性も考えられます。
リスクを考えるとこれらの方法は決してお勧めできませんが、実際にどのようなリスクがあるのかも含めて各方法について少し詳しく説明していきます。

化学薬品を用いた除去方法

ネットでも買える化学薬品を用いたクリームなどでの除去ですが、いくつか種類があります。
一つはTCA(トリクロロ酢酸)などを用いて強い炎症を起こし皮膚をただれさせで化学熱傷のような状態を引き起こすものですが、液体のため他の部位に広がることも多くタトゥーの範囲を超えて熱傷を起こす方がいらっしゃいます。また使用方法をよく知らないため、中和剤も使用せずどこで反応を止めて良いかも分からない為深い層まで反応を起こしてしまう可能性もあります。
こちらもたばこによる除去と同じくとても危険性が高くお勧めできません。
二つ目はピーリング作用のあるものですが、市販で販売できる濃度でのピーリング作用では毎日使用してもかなり長期間かかります。タトゥーは色素が深く、ターンオーバーのみの色素の排出が難しい為、効果の実感はあまりない方が多いようです。最後はハイドロキノンなどのメラニンを抑える美容成分を含んだものなどです。ハイドロキノンは皮膚がシミなどの原因となるメラニンをつくるのを抑える成分になりますので、タトゥーに関して効果はありません。タトゥーは人によるメラニン生成で色をつけているものではないからです。このようにネットで購入できる化学薬品を用いたクリームなどはほぼ効果がないものや逆に高い危険性を伴うものが多くありますのでお勧めいたしません。

カッターで皮膚切除をする除去方法

時々いらっしゃるカッターで傷をつけて除去を試みる方…こちらも聞いただけで痛みを想像してゾワッとします。リストカットのように線状に傷をつけて薄くしようとした方を診察したことがありますが、幅1-2mmの線状の傷でタトゥー全体を覆うことはかなり多数の傷を作る必要があり現実的ではありません。
またそのくらい多数となると傷もとても目立ちます。
リストカットもその傷の除去の相談が多くありますが、傷跡修正の施術をタトゥー除去と一緒にする必要があり、こちらも結局通常の除去よりも手間もコストもかかってしまいます。
リストカットのような傷になることで更に別の偏見の目に悩む方もいますので、その点でもデメリットが大きい方法と言えます。

方法❶ メイクなどで目立たないように隠す

イベントなどで一時的隠したい場合はにコンシーラーやカバースプレーを使用する方法があります。こちらは頻繁でなければ良い方法の一つと言えると思います。
結婚式や子供の運動会、会社の旅行など除去までは考えていないけど、ここでばれると困る!という方には手軽でお勧めの方法です。これらは数時間~1日程度の持ちになりますので、それ以上の時間は再度カバーのやり直しをする必要があります。当院でもカバーアップと言ってエアブラシを使用した一時的なカバーを行っておりますが、名刺サイズで30分ほどの施術時間なので手軽なのもメリットの一つです。
頻繁に行うとコストもかかりますので、あまりに頻繁になる場合には除去の方が良い場合もあります。

方法❷ クリニックの施術で安全に除去する

これまで自力での除去をまとめてきましたが、キレイに除去することは難しく危険を伴うことも多いことが分かります。タトゥー自体が色素が深くまで入っているため、その除去は傷が目立ちやすくなるのは当然です。だからこそ傷への負担を最小限にする方法を選択することで安全性や傷のキレイさが変わってきます。ここからは自力での除去と比較しながらクリニックの除去との違いを比較していきます。

レーザー治療

色に反応するレーザーを使用し、タトゥー色素の除去を行います。特にピコレーザーは周りの組織へのダメージが少ないとされており、傷が最小限で済む方法です。
デメリットとしてピコレーザーでも2カ月おきに5-7回と回数がかかるため1‐2年間除去までにかかるということが上げられます。レーザーだけど短期間・少ない回数で除去したいという方には『ピコダーム』というピコレーザー+N-DERMの施術は2‐3週間おきに3-5回で施術が終了するためお勧めです。

切除術

タトゥーの範囲を切りとり、周りの皮膚を寄せて縫合するのが切除術になります。
皮膚が摘まめる範囲までは1度での除去が可能なため、急ぎで除去をしたい人に人気の施術です。
カッターでの除去とは違い、色素の深さを確認しながら切除し、周りの皮膚を傷が広がりにくいように寄せて縫合をします。
タトゥーの色素は深い為、浅いところにだけ傷をつけても色素の除去はできません。
抜糸は1週間程度になり、ダウンタイムは1-2週間程度になります。

植皮術

タトゥーの色素のある深さまで皮膚を削り、そこに別に部位から皮膚を採取して移植する方法です。
範囲や部位により『全層植皮』と『分層植皮』に分かれます。
移植した皮膚が定着するまで2週間かかり、その間は固定が必要になります。
別の部位からの皮膚の移植になるため、採取部位にも傷がついてしまうことがデメリットの一つです。
また部位が違うと皮膚の色や質感が異なる為、つぎはぎ感が出てしまうのも特徴です。
以前に比べて施術することが大幅に減った手術ですが、指などに行う全層植皮は色の違いが目立ちにくいため一定のニーズがある施術でもあります。

削皮術

削皮術はタトゥー色素がある深さまで皮膚を削り、皮膚を再生させることにより除去を行う方法です。

1度で施術が終わる為、お急ぎの方には人気ですが傷跡が最も目立ちやすい方法でもあります。
また自宅での処置が必要になりますが、生傷の状態での洗浄や処置が必要になるため、痛みに弱い方にはお勧めしておりません。
傷がキレイな状態を保たないと皮膚が再生せず、再生までの時間がかかるほど傷跡が汚くなってしまうためです。

タトゥー除去ならziz CLINIC

ここまで自力でのタトゥー除去とクリニックでの除去について簡単にまとめてきました。
自力での除去は知識がないからこそより危険ですし、実際は除去が難しく傷跡も目立つためその後の治療にはタトゥー除去+傷跡修正の治療が必要になるケースもあります。
安くしたいと思っていたのにさらに費用がかかることになり後悔する患者さんをみると、こちらも何とも言えない複雑な気持ちになります。色素が深く傷が目立ちやすいタトゥー除去だからこそ、安全性やしっかりとした医学知識をもとに除去をすることをお勧めします。

まとめ

いくつかの自力でのタトゥー除去についてまとめてみましたが、危険性が高く、根拠に乏しいものも多くあります。リスクに対して得られる効果も確実ではなく、さらに危険性により傷跡が目立ってしまったり、後遺症が残る可能性もあります。これらを考慮し、危険な自力での除去は絶対にやめましょう。
リスクを知らなかったとしても、傷が残ったり後遺症・その後の治療費用で悩むのはあなたです。
後悔する方々を見てきたからこそ強くお伝えしたいと思います。